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『テイルズ オブ』シリーズのひとつとして、2005年に発売された『レジェンディア』。
シリーズの中では“異色作”とも呼ばれていますが、
その音楽は高い評価を受け、過去に海外のコンサートで演奏されたほか、
今年(2009年)8月に開催されるゲーム音楽のオーケストラコンサート、
『PRESS START 2009』の演奏曲のひとつにも選ばれています。
また、ゲームの公式サイトでも、曲を試聴できますので、あわせてご覧くださいませ。
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| (C)2005 NBGI |
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[試聴♪] 蛍火/『テイルズ オブ レジェンディア オリジナルサウンドトラック』より 歌:須藤まゆみ |
歌詞(抜粋)
白く冷たい頬に 最後の花 かざるとき 遠く君をみていた なぜ、みんなが泣き出し
今別れを告げるこのとき 一人ぽつんとしていた まるで海に咲くとても小さな和火
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| 木村 | 『蛍火』の歌詞は椎名さんが書かれていますが、なぜ、ゲームの世界とは違う、現代を舞台にした詞を書かれたのでしょうか? |
| 椎名 | 歌詞に“地下鉄”とか出てきますからね。最初は、ゲームのシナリオの中から言葉を組み合わせて作る予定だったんです。でも、直接的な言葉をのせるよりは、違う世界で起きた、近い出来事を描いたほうが、しみじみと感じられるかな、と思ったんですよね。 |
| 江崎 | 解釈の幅が増えるというか。 |
| 椎名 | そうですね。 |
| 木村 | そういう発想は、他のゲームではあまりないですよね。ゲームの歌というと、そのゲームの世界を描くという感じで。 |
| 椎名 | あえてこんな風にしてみたんですね。たとえば映画を見ていて、ここで泣くでしょっていう瞬間に、ジャジャジャーン! みたいな音楽が流れてきたら、逆に興ざめしちゃうことってあると思うんですよ。 |
| 木村 | 自分の気持ちより先に曲が出ていっちゃった、みたいな。 |
| 椎名 | そう、こっちから押しつけがましく与えるようなことはしたくなくて。自分で考えて、「これは悲しいことなんだ」と感じないといけないと思ったんです。 |
| 木村 | 主人公にとっての大切な人が死んでしまった場面で流れますよね。だから、それを連想させるような感情を描いていて、でも舞台は現代で。 |
| 椎名 | なんで悲しいのかって、プレイヤーによってそれぞれ違うと思うんです。だから、それを強制してはいけないと思って。彼女が死ぬ悲しさも、もちろんあるんだけど、それを恋とか愛とかって受けとりたい人もいると思うし、命のはかなさとして受けとりたい人もいるし、いろいろな受けとり方があると思うんですよね。あと、一周目と、二周目に遊ぶ時とで、違う感覚でとってほしかったのもあって。好きな人が死んじゃって悲しいです、と決めつけるよりは、別の、似たような人たちの話を書いた、という感じですね。 |
| 木村 | 深いですね! |
| 椎名 | ゲームの中でいちばん気を使うのは、人が死ぬシーンなんですよ。みんなたぶん、死ぬシーンを使えば泣くだろうっていう、それが安っぽいっていう感覚がどこかにあると思うので、それをいかに安く見せないかっていうところが難しくて。 |
| | この歌詞を書いたときには、鎌倉の水上花火大会を観に行ってたんです。その花火を見ていたときに、ふと、ものすごく悲しくなったんですね。バッカンバッカン派手に打ち上げてる花火とは別に、オレンジ色で、ふわっと消えちゃう花火があって、あっ、これだ、と思って。このシーンには。 |
| 江崎 | いま、話を聞いててぞくっとしましたね。素敵! |
| 椎名 | 命のはかなさって、案外地味っていうか。派手に打ち上げられた花火ではなくて、ポッと消えていくんじゃないかな、って。 |
| 木村 | “まるで海に咲く、とても小さな和火”…という一節がありますよね。和火というのは、どこからきた言葉なのかな、と思いましたが。 |
| 椎名 | その花火が、和の花のようだったので…はじめは“和火”のほうを曲名にしてたんですよ。でも意味がわからないって言われて。個人的には、“蛍火”だと、ちょっとわざとらしく感じたんですけど。 |
| 江崎 | 和っていうと、和むっていう言葉もありますし、やわらかい雰囲気がありますよね。 |
| 椎名 | いちど観に行ってほしいですね。和の花火ってなかなか…隅田川とかでもやってますけど、あちらは連発するので、心温まるっていうよりは、怒涛って感じで。 |
| 江崎 | やっぱり、鎌倉は違います? |
| 椎名 | 違いますね。や、もちろん派手なのもあるんですけど、その中にある、地味な、ぴかぴかしていない花火がすごく…たぶん、死んじゃうときってこうなのかなって思いながら書いたんですね。 |
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| 木村 | というわけで、鎌倉の水上花火大会で、椎名さんに“和火”を説明していただいた映像ですね。携帯電話で撮影したものですので、画質が悪くてごめんなさい。 |
| [試聴♪] シャーリィを追って/『テイルズ オブ レジェンディア オリジナルサウンドトラック』より |
| 木村 | すごく人気のある曲ですね。 |
| 椎名 | あ、そうなんですか。このメロディはエレクトリックバイオリンという楽器ですね。 |
| 木村 | バイオリンかっこいいですよね! |
| 椎名 | これ、何気に、表の人たちより、裏のバイオリン軍団が大変なんですよ。ちょっと聞こえにくいんですけど、たぶん死ぬほど難しいです。 |
| 江崎 | 裏のバイオリン? |
| 椎名 | バックで、メロディじゃないところを弾いているバイオリンがいるんです。 |
| 木村 | 速いパッセージを刻んでいるところですよね。 |
| 椎名 | そう、すっごく速いんですよ。 |
| 木村 | 速いといえば、『敵襲』も凄いことになっていますよね。 |
| [試聴♪] 敵襲/『テイルズ オブ レジェンディア オリジナルサウンドトラック』より |
| 椎名 | これ、ピアノが地獄のように難しくて。ピアニストの方には、今世紀でいちばん難しい曲って言われて(笑) |
| 江崎 | かなり音の幅がありますよね。楽譜が真っ黒、みたいな感じで。 |
| 椎名 | ピアニストの方の息があがってしまって、その息がマイクに入ってボツになっちゃったりしましたね。 |
| 江崎 | それだけ、すごいエネルギーで演奏してるってことですよね。 |
| 椎名 | それを録る人たちにとってもすごいエネルギーなんですよ。真剣に、集中して音をひとつひとつ聴いてるから。このときはほんとに大変でしたね。 |
| 木村 | この曲も人気があるみたいですね。 |
| 椎名 | 皆さんの熱が伝わってるのかなと思いますね。 |
| 木村 | すごく素人っぽい質問なんですが、実際に演奏してもらう楽譜を作るときに、自分が弾けなくても作れるものですか? |
| 椎名 | 何というか…同じ音量で弾くのは簡単なんですね。だけど、ピアニストが弾くとちゃんと表情がつくから、全然違う。 |
| 木村 | “音の並び”じゃなくて、“演奏”にするのが難しい、ということでしょうか。 |
| 椎名 | そう、表現ですね。早口言葉を普通に言うことはできても、それに感情を入れることはできない。ただ早く弾くだけなのか、それを歌い上げることができるのかが、自分と演奏家の大きな違いで、それがたぶん、人を感動させられるか、ただのうるさい音になっちゃうかの違いになるんだと思います。 |
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| (C)2005 NBGI |
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| [試聴♪] 花の名前/『テイルズ オブ レジェンディア オリジナルサウンドトラック』より |
| 木村 | 特定の映像とか場面に合わせて作られた曲もたくさんありますよね。そのほとんどは、オリジナルサウンドトラックより後から出た『テイルズ オブ レジェンディア 〜voice of character quest〜 2』というドラマCDに特典として入っているんですが、この『花の名前』は、オリジナルサウンドトラックのほうに入っていますね。 |
| 椎名 | この曲は結構大変でした。 |
| 木村 | もちろん、映像が先にあって、それに合わせて作っていますよね。普通の曲とはまた違った難しさがあったのではないかと。 |
| 江崎 | 映画音楽みたいなものですよね。 |
| 椎名 | そうですね…こういう、ムービーにあわせて曲をつけるとき、あまりにもぴったり合わせすぎちゃうと、なんというか、コミカルな印象になっちゃったりするんですよ。 |
| 木村 | この場面も、映像やセリフと合わせて曲を聴いてみると分かりますが、ぴったりではないですよね。 |
| 椎名 | 微妙にずらすんですよね。その微妙さをうまく出せれば良くなるんですけど、失敗すると、ただずれてるだけにしか聞こえなくなるんです。 |
| 江崎 | どこかで合致していないと。 |
| 椎名 | そうですね。映像そのもののスピードと、見たときの気持ちの盛り上がりって、違うと僕は思ってて、そこに曲を合わせなきゃいけないっていうのが難しいんですよ。…ぶっちゃけ、このシーンのムービーを見たときはビビりましたけどね、これどうやって合わせようかって。 |
| 江崎 | なんだか、綺麗なんだけど悲しみがあって。 |
| 椎名 | そうですね。 |
| 木村 | この曲のメロディは、いろんな曲で使われていますよね。このすぐ後の場面で使われている『紡ぐ思い、繋がる手』もそうですし、あと『水晶のささやき』も。 |
| [試聴♪] 水晶のささやき/『テイルズ オブ レジェンディア オリジナルサウンドトラック』より |
| 椎名 | ええ。この曲はティンホイッスルっていう楽器を使ってて。あれ、すごく難しいんですよ。 |
| 木村 | 作りがシンプルなぶん、安定して思い通りの音を出すのは難しいですよね。レコーディングは大変そうです。 |
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| (C)2005 NBGI |
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| [試聴♪] あなたの隣に/『テイルズ オブ レジェンディア 〜voice of character quest〜 2』より |
| 椎名 | この曲のレコーディングは、夜の8時から朝の6時半まで続いて、みんな上半身裸になっちゃって。 |
| 木村 | 裸!? |
| 椎名 | 夜中、空調が止まっちゃって。もう、蒸し風呂状態で。 |
| 江崎 | それは暑い! 酸欠とかにならないですか? |
| 椎名 | や、もう気持ち悪かったですね。でもみんな上半身は裸でやってました。 |
| 江崎 | 女性も!? |
| 椎名 | いえ、女性は…(笑) |
| 江崎 | そっちが心配になっちゃって(笑) |
| 椎名 | 結構、ギリシャっぽかったです(笑) 一応、布で隠すみたいなことはやってたんですが、弾くのに当たったりするので、結局それもやめちゃって。 |
| 江崎 | 大変ですね…。 |
| 椎名 | この曲はすごく時間がかかりました。でも、あの時は文化祭みたいな熱気がありましたね。すごく思い出に残ってます。 |
| 江崎 | 癒し系の曲ですね。 |
| 椎名 | そうですね…ある意味いやらし系でもありますけど、レコーディングの情景は(笑) |
| 一同 | (笑) |
| 椎名 | これの、オーケストラ版の曲が、次の『PRESS START』で演奏される『melfes 〜輝ける青』ですね。 |
[試聴♪] melfes 〜輝ける青/『テイルズ オブ レジェンディア オリジナルサウンドトラック』より 演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団 |
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| 木村 | コンサートではこちらが生で聴けるわけですね。この曲はどのように作られたのでしょうか? |
| 椎名 | 『あなたの隣に』は、水晶の森の中から見る海を想定してつくった曲なんですが、こっちの曲は、前半はもとの曲を忠実に、後半は、「山に登って大海原が見えた瞬間を表現」できればいいかな、というバージョンですね。 |
| [試聴♪] 猛りの滄我/『テイルズ オブ レジェンディア オリジナルサウンドトラック』より |
| 木村 | メインシナリオやキャラクタークエストの最後の戦闘で使われている曲ですけど、いろんな曲が次々に現れますよね。 |
| 椎名 | いちばん最後の戦闘で、いままでがんばってきたことを思い出してほしかったんですね。 |
| 木村 | 中には、戦闘っぽくないメロディも入ってて。 |
| 江崎 | いろんな情景が混ざり合っている感じですよね。 |
| 椎名 | そうですね。RPGって時間をかけて遊ぶから、その道のりをいちばん最後に思い出してくれたらいいかなって。だから、いろんなシーンの曲を使って、メドレー調にしたんです。文化祭前夜に、準備を始めてからの日記を読み返すと、ものすごく感動したりするんですよ。ここから始まったんだ、もともとたこ焼き屋やるはずだったのにボルシチ屋に変わっちゃったよ、みたいな(笑) |
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| (C)2005 NBGI |
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[試聴♪] 回線不良/『テイルズ オブ レジェンディア オリジナルサウンドトラック』より 歌:金沢知栄子 |
| 木村 | イントロからいきなり変わった音を使ってて、インパクトありまよね。 |
| 椎名 | グレインっていう技術を使って、声を加工してるんです。 |
| 江崎 | あ、人間の声を。凝ってますよね。 |
| 椎名 | これは時間軸をいじってるんです。録音された時間が、たとえば1秒だったら、通常は、たとえばその時間を短くすると、音程も上がって「オラは死んじまっただ」みたいな声になるんですよ。そこを、音程を変えずに時間だけちぢめると、すごく変わった音になるんですね。その機能を使ってます。 |
| 江崎 | 面白いですね! このひずんだ感じですね。ビブラートみたいな音も。 |
| 椎名 | グレインかかってますね。 |
| 木村 | この曲は、CDで聴くと、途中でレコードが止まりかけたみたいな効果を使ってるところもありますよね。ゲーム中に流れるときにはなかったと思うんですが。 |
| 椎名 | ゲームには入れられなかったんです。ハード故障と勘違いされるから(笑) |
| 江崎 | そっか、そんな理由が(笑) |
| 木村 | 音が飛んでたりひずんでたり、遅くなったり早くなったりしますからね。 |
| 江崎 | でも、今だと結構、ポップスとかでもこういった効果を普通に使ってますよね。 |
| 椎名 | 使いますね。当時、ローランドのVP9000っていう楽器で、バリフレーズ音源というのがあったんですけど。もう、作ってて、楽しくてしょうがなかったですね。 |
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| (C)2005 NBGI |
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| [試聴♪] ほんわかねえさん/『テイルズ オブ レジェンディア オリジナルサウンドトラック』より |
| 木村 | この曲は…(笑) |
| 椎名 | まあ、ピンキーな感じで作った曲で。これも楽しかったね。特に『桃色バージョン』(『テイルズ オブ レジェンディア 〜voice of character quest〜 2』に収録)が。 |
| 木村 | 声が入っているほうですね、悩ましい感じの(笑) そちらはバーで流れている曲ですよね。ゲーム中のシーナさん(→前編を参照)がピアノを弾いてる場所で。 |
| 江崎 | こういうのは何ジャズっていうんですかね。 |
| 椎名 | 何でしょうね…ファンクとジャズが混ざったような。 |
| 木村 | こういう曲がひとつひとつ、ゲームの音楽ではあまり聴かれないぐらい… |
| 江崎 | 凝ってますよね。 |
| 椎名 | ありがとうございます(笑) なんか…ほめられ慣れてないので(笑) |
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| (C)2005 NBGI |
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| [試聴♪] 安住の地/『テイルズ オブ レジェンディア オリジナルサウンドトラック』より |
| 江崎 | なんだか中国っぽいですね。これ、二胡を使っていますか? |
| 椎名 | 使ってます。いいですよね。特殊な能力を持ってる人たちが住んでる村があって、そこの曲なんですが、イメージ的には天空とかそういう、高度の高いところで、チベットとかが近かったので。 |
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| (C)2005 NBGI |
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[試聴♪] 鳥は鳴き、僕は歌う/『テイルズ オブ レジェンディア オリジナルサウンドトラック』より 歌:カノン |
| 木村 | ゲームで、最初に歩くフィールドでいきなりこの歌が流れてくるんですよね。初めて聴いたときは驚きました。 |
| 江崎 | どういう意図があったんですか? |
| 椎名 | ゲームの舞台がひとつの島で、その島自体が船でもあるんですけど、最初にその大きさを表現しないといけなかったんです。階段滝っていう場所を通る時に、いろんな風景が見えるんですけど、その補いになれればと思って、くさすぎず壮大に、みたいな。 |
| 木村 | 作詞も椎名さんがされていますよね。 |
| 江崎 | これも造語ですか? |
| 椎名 | そうですね。でもこれは不二家語(→前編の『epunam』参照)ではなくて、『テイルズ オブ エターニア』から使われている、メルクニス語っていう言語ですね。たしかドイツ語がもとになっています。 |
| 江崎 | (歌詞カードを見ながら)象形文字みたいな。 |
| 椎名 | それに近いですね。それぞれの字に意味があるんです。 |
| 木村 | ちゃんと意味も通るようにつくって。 |
| 椎名 | そうですね、この歌では、島の秘密を歌詞に託しているんです。 |
| 木村 | サウンドトラックの歌詞カードを見ると、ほかにも、アルファベットで書かれた、日本語でも英語でもない歌詞がありますけど、言葉は同じですか? |
| 椎名 | うん、一緒です。 |
| 江崎 | ここまでしっかり作られていると、ゲームっていうより、ほんとに違う国、違う世界が広がっている感じですよね。 |
| 椎名 | そう言っていただけると嬉しいです。 |
| [試聴♪] Let's Go!/『テイルズ オブ レジェンディア オリジナルサウンドトラック』より |
| 木村 | この曲のメロディも、いまの『鳥は鳴き、僕は歌う』とか、『明日はきっと晴れ』とか、いろんな曲で使われてますよね。 |
| 椎名 | うん。あと、昔、ドリラーに『Go→』って曲があって、そのお姉さん版みたいな曲です。 |
| 木村 | 名前(Go Shiina)ともかけているんですよね? |
| 椎名 | そう、名前ともかけてて(笑) ドリラーのあの曲っぽく、っていうオーダーがあったので、作った曲です。 |
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| (C)2005 NBGI |
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[試聴♪] お話しましょう/『テイルズ オブ レジェンディア オリジナルサウンドトラック』より 歌:すずかけ児童合唱団 |
| 椎名 | この曲は、小学生に歌ってもらったんですよ…心洗われますよね。 |
| 江崎 | いいですね、無垢な歌声というか。 |
| 椎名 | 精霊の曲なので、それを表現するには子供の声がいいかなと思ったんです。 |
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『A Night in Fantasia 2007: Symphonic Games Edition』
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2007年4月、
オーストラリアのエミネンス交響楽団によるゲーム音楽のオーケストラコンサート
『A Night in Fantasia 2007: Symphonic Games Edition』が開催され、
『テイルズ オブ レジェンディア』など椎名さんの曲も演奏されました。
さらに、椎名さん自身もゲストとしてイベントに登場。
コンサートは大盛況に終わり、
オーストラリアのテレビのニュース番組でも紹介されました。
| 椎名 | 本番ではないんですが、この時のリハーサルを撮ったビデオがありますよ。手ぶれ補正もない、ホームカメラで撮ったものなんですが。 |
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リハーサル映像(祈りを力に変えて/『テイルズ オブ レジェンディア』より) 演奏:Eminence Symphony Orchestra |
| 木村 | ホームカメラでも、オーケストラの雰囲気は良く伝わってきます。 |
| 椎名 | この曲は、コンサート用に、コーラス入りのドイツ語バージョンにしました。 |
| 木村 | 後ろにコーラス隊が並んで歌っていますね。もとの曲にはない、コーラスパートを加えて。 |
| 椎名 | そうですね。このときも、いろいろ大変だったけど、楽しかったです。 |
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| (C)藤島康介 (C)1994-2007 NBGI |
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| 椎名 | 『テイルズ オブ』では、あと『テイルズ オブ ファンダム Vol.2』もやってましたね。 |
| 木村 | あ、そうでしたね! |
| 椎名 | オープニングの曲と、エンディングの曲を。 |
| [試聴♪] 歩(あゆみ)/『テイルズ オブ ファンダム Vol.2』より |
| 椎名 | これがエンディング。オーダーはおまかせということで、わりと好きにつくらせていただいた曲ですね。 |
| 木村 | この一曲で、ひとつの物語みたいなものが感じられますね。 |
| 椎名 | これが閉幕って感じで少し悲しくなるんですよね。 |
| 木村 | 曲を作るときに、苦労されたことはありましたか? |
| 椎名 | 苦労点は、打ち込みをするときのCPU負荷がすごかったこと。OSのカーネルパニックに見舞われて、再起動地獄だったことですね。 |
| 木村 | 集中して作っているときに、パソコンが止まっちゃうと、精神的にもきついですよね…。 |
| 江崎 | ゲーム機が変わっていくと、作曲の仕方も変わりますか? |
| 椎名 | そうですね、とくに携帯機は変わりますね。もちろんハイエンドの方も、サラウンドで作るようになって、それもめちゃくちゃ面白いんですけどね。はじめのうちは何回も失敗するんですよ。たとえば『レジェンディア』で、水の上で船がゆっくり揺れてるムービーのシーンがあるんですけど、その揺れてる感じをだすために、音を上下にちょこっと揺らしてみたら、聴いてるとだんだん吐きそうになってきちゃって(笑) |
| 一同 | (笑) |
| 木村 | 音を上下にというと、どのようにして揺らすんですか? |
| 椎名 | 左右後ろのボリュームバランスと、あとフィルターを使って少し音をくもらせたりすると、上に行ったり下に行ったりしたような感覚が作れて。それをやってたら本当に吐きそうになって、これは使えないなと(笑) |
| 江崎 | 聴覚だけで酔ってしまって。 |
| 椎名 | そうですね。でもそれぐらい面白いことなんですよ、音を動かせるっていうのは。最近はそれが無いと物足りない気がしてきて。『ミクロキッズ』っていう映画で、小さくなった人間が、毛深い犬に踏まれる場面があるんですけど、音で踏まれる感じを出していて、すごいなと思いました。 |
| 木村 | どんな音ですか? |
| 椎名 | にぶい、ボフッって感じの音なんですけど、音が上から来るっていうのは技術的に難しいので。 |
| 江崎 | 踏まれるっていうのは難しそうですね。 |
| 椎名 | 音が繊細だと…たとえば蚊の音とかヘリコプターの音とかだと、音が移動してるっていうのを感じやすいんですけど、あんな風にもこっとした音だと、動いたっていうのがわかりにくいので。 |
| 木村 | なるほど。 |
| 椎名 | 作り方も変わりますね、確かに。『レジェンディア』のときも、録音は5.1chのサラウンド用のマイクセッティングで、ホールの後ろからくる音も、後ろ用のマイクで録って。 |
| 江崎 | 臨場感がそのまま残るように。 |
| 椎名 | そうですね、ホールで聴いてるかのように、できるだけしましたね。 |
| 江崎 | ほかに技術面とかで、たとえばコンピュータが発達して、作り方が変わったりはしましたか? |
| 椎名 | パソコンの分散処理機能っていうのを使って、いろんな人とパソコンをつなげてCPUパワーを借りて、速く作業ができるようになったっていうのはありますね。いままではパソコンを何台も自分の机に置いていたのが、2台とかになって、CPUパワーだけを外から借りてくるっていう。 |
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『テイルズ オブ』シリーズのキャラクターたちが一堂に集結して新たな物語が展開される、
『テイルズ オブ ザ ワールド』シリーズの最新作『レディアント マイソロジー2』、
そして、シリーズのダイナミックな戦闘を対戦型アクションに昇華させた『テイルズ オブ バーサス』。
今年(2009年)発売された(される)この両作品の音楽にも、椎名さんが携わっています。
両作品とも、サウンドトラックの発売が予定されています。
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| (C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)2006 2009 NBGI |
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| 椎名 | 『レディアント マイソロジー2』では、できるだけ生楽器よりシンセを多用しようとしました。古き良き楽器っていわれるシンセサイザーを使おうと。 |
| [試聴♪] into the battle/『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2』より |
| 椎名 | この曲では、PSG音源を使ってみたかったんです。この、シンセリードの音ですね。『worth dying for』の最初の音なんかもそうです。 |
| 木村 | いろんな音が、バトンタッチするみたいにどんどん入れ替わっていく、面白い曲ですよね。 |
| 椎名 | 同じメロディを使ってるんだけど、最初4拍子なのが、後で3拍子になってたりして、そこに気づいてもらえるとうれしいですね。なので、これはメドレーではなくて、一曲です(笑) |
| [試聴♪] rondo of sadness/『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2』より |
| 椎名 | この曲は、最初ピアノだけで作ってたんですよ。でもさすがに戦闘でピアノだけはまずいだろうと思って。ピアノでガジャガジャと作ったものを、それをいろいろなパートに振り分けました。曲を作るときにキャラクター紹介の説明と絵をもらってたんですけど、かわいそうなキャラクターだと思ったので、悲しさを入れてみたかったんですね。 |
| 江崎 | これは生のピアノを使っているんですか? |
| 椎名 | シンセのピアノですね。だから鍵盤が軽いんです。重いけどピアノよりは軽いような、ピアノ鍵盤っていわれる鍵盤のシンセです。だから音がちょっと硬いんですよね。ほんとはピアニストの方に弾いていただいた方が、もっと水のようにトゥルットゥルな音になるんですけど。 |
| 木村 | ピアニストの方が弾いたわけではないんですか? |
| 椎名 | あ、これは僕が弾いてます。でも部分録りしてますけどね。途中まで弾いて、次は続きから、とか、間違えたからここだけ録り直し、とかやって。 |
| 木村 | なるほど! 前回、椎名さんが『すすめ!ドリラー』のコーラスを歌っている、という話には反響が多かったのですが、そういったことを知ると、同じ曲を聴いていても、もっと椎名さんとの距離が近くなる感じがします。 |
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| (C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)2006 2009 NBGI |
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| [試聴♪] バトル・アーティスト (TOL)/『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2』より |
| 木村 | 『レディアント マイソロジー2』では、『レジェンディア』の戦闘曲を椎名さんご自身でアレンジされていますが、通常戦闘曲の『バトル・アーティスト』は原曲とかなり変わってますよね。これは、昔の曲をいま聴くとちょっと…みたいなことなのか、それともゲームの世界観などの違いに合わせたのでしょうか? |
| 椎名 | あの、VOCALOID2(ヤマハが開発した歌声の合成技術)を使ってみたかったんですよ。『初音ミク』じゃないんだけど、『PRIMA』っていう、外国人の声で歌うVOCALOID2があって。 |
| 木村 | 確かに、途中に歌が入っていて、人工的な声ですよね。 |
| 椎名 | そのロボっぽさがいいなあと思って。それで入れてみたくなり、アレンジしました(笑) |
| 木村 | もう一曲の『勝利を求めて』の方はあまり変わってないですね。ストリングスが前に出てきたぐらいで。 |
| 椎名 | そうだね、こっちはミックス違いみたいなもので。実は、今やってる『テイルズ オブ バーサス』では、こっちの曲をアレンジしてます。 |
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| (C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)1994-2009 NBGI |
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| [試聴♪] 勝利を求めて (TOL)/『テイルズ オブ バーサス』より |
| 木村 | イントロからすごく勢いがあって、印象がだいぶ違いますね。 |
| 椎名 | そうですね、結構変えていて。 |
| 木村 | 対戦というゲーム内容に合わせたのでしょうか、激しいというか、強いというか… |
| 椎名 | うん、どちらかというと、重くした、という感じですね。それと、『バーサス』では自分の曲だけじゃなくて、(『テイルズ オブ』シリーズの曲を多数手がけている)桜庭(統)さんの曲もアレンジしてるんですよ。 |
[試聴♪] THEME OF BATTLE (TOD2)/『テイルズ オブ バーサス』より 作曲:桜庭統 |
| 木村 | 数ある『テイルズ オブ』のバトル曲の中で、この曲をアレンジするというのは、椎名さん自身が選んだのですか? |
| 椎名 | そうですね。シリーズの中でもこの『THEME OF BATTLE』が好きで、これを最初に選ばせてくれたことは、周りのサウンドスタッフに感謝感謝です。 |
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| ※画面は開発中のものです。 |
| (C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)1994-2009 NBGI |
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PSP用ソフト『テイルズ オブ バーサス』は2009年8月6日発売予定!
詳しい情報は公式サイトをご覧くださいませ。
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| 木村 | 前回の記事のあと、椎名さんに届いたメッセージはメールで転送させていただきましたが、あらためて印刷して持ってきてみました。 |
| 椎名 | 用意がいいね(笑) こういうお手紙って、なかなかもらえないから嬉しいですね。 |
| 江崎 | そういうものですか? |
| 椎名 | なかなかというか、ゼロに近いです。近所の子に『太鼓の達人』をあげたときに「お兄ちゃんへ」って手紙をもらったときは嬉しかったですけど。 |
| 木村 | それは嬉しいですよね! |
| 椎名 | 下手な字で、「毎日やってます」とか一所懸命に書いてて。 |
| 江崎 | 今まで、椎名さんの名前ってあまり出ていなかったですよね。海外のほうからも、「あの曲を書いたのはこういう人だったんだ」みたいな反響もあって。「Cool!」とか。 |
| 木村 | YouTubeの動画にも、最後の「よろしく!」がカッコいいってコメントがついてましたね(笑) |
| 椎名 | ははは…。 |
| 江崎 | これまで特に、コンポーザーとしての宣伝のようなことはされてないですよね。 |
| 椎名 | したことないですね。でも、前回の記事のおかげで、名前を知ってくれてる方が増えた気がします。 |
| 木村 | 今回はこういう形で椎名さんへのメッセージを受け付けていますが、椎名さんに直接ファンレターを送りたいときはどうするのが良いでしょうか? |
| 椎名 | 会社のウェブサイトにある、問い合わせをするところですかね。そこがいちばん対応が早いと思います。もしくは、ゲームとかCDについているハガキですね。以前は届いていたりしたんですが…手書きのファンレターって、いまどきめずらしいので、届いたらうれしいですね。 |
| 木村 | ここからはメッセージとともに届いた質問に答えていただきたいと思います。まず、曲の作るときの順番…作曲してから編曲してミックスなのか、編曲も同時進行なのか、椎名さんの場合はいかがですか? |
| 椎名 | えっと、歌ものの場合は、作曲から編曲、ミックスの順で作ります。インスト曲の場合は、編曲から始めて…バラの楽器をどんどん録っていっちゃう。で、よく変だって言われるのは、上の楽器から入れていくんです。 |
| 木村 | ベースとかじゃなくて、バイオリンとかから。 |
| 椎名 | そう、上から順番に。だから時々、上のパートが速く動いちゃってて、下の音をあんまり動かせなくなっちゃうことはありますね。 |
| 木村 | 両方ががちゃがちゃ動いてたら良くないと。 |
| 椎名 | ええ、同じ動きだったらいいんですけどね。 |
| 木村 | 次の質問ですが、歌ものを作るときの歌い手はどのようにして選んでいますか? それともご自身では選んでいないのでしょうか? |
| 椎名 | 主に3タイプあります。『すすめ!ドリラー(ミスタードリラー)』とか『虹色・夢色・太鼓色(太鼓の達人)』とかはこちらからの指名です。 |
| 木村 | 堀江美都子さんと、高橋洋子さんですね。 |
| 椎名 | 『レジェンディア』『鉄拳6』『マ王(今日からマ王! はじマりの旅)』『熱スタ』などの歌い手さんは、インペグ屋さん(ミュージシャンの斡旋などを行う事務所)から資料をいただいて選んでます。『レジェンディア』の一部とか、『ドリラー』の内部の歌ものは友人からの紹介ですね。あと、『アイマス(THE IDOLM@STER)』とかは企画ものなので。 |
| 木村 | 『アイマス』はゲームに出演している声優さんありきですから、椎名さんが選ぶわけではないですね。 |
| 椎名 | ええ。 |
| 木村 | 『レディアント マイソロジー2』の中に出てくる歌もの(『バトル・アーティスト』『Worth dying for』『Final Damnation』)の歌詞はどのように作られたのか、それと歌詞にはどのような意味があるのでしょうか。 |
| 椎名 | Symphonic Choirというソフトがあって、そのソフトに歌わせたときにうまく聞こえる言葉をたくさん使ってます。 |
| 木村 | シンセの声だと、自然に聞こえにくい音がありますよね。 |
| 椎名 | だから、「ナ」とか「ダ」とかはあまり使わないようにして、「サ」とか「ファ」とか「タ」とか、はっきり歌ってると感じる言葉をできるだけ使って、歌わせてます。 |
| 木村 | 『バトル・アーティスト』ではPrimaを使っているというお話でしたけど、ほかにもQL Symphonic Choirなども使っていると。今回の歌ものは、ぜんぶシンセなのですか? |
| 椎名 | 社員の声をまぜたり、PS2の内蔵音源用に録音した歌の素材をEXS24というサンプラー用に置き換えて使っていたり、CANTORというソフトシンセを使ったりしてます。 |
| 木村 | いろんな素材をつかって、手をかけて。 |
| 椎名 | そうですね…あと、今回の歌詞の意味は、秘密です。 |
| 木村 | ゲーム音楽を作るときには、ゲームとのバランスとか調和について、どういうことに一番気をつけていますか? …って、いま“調和”ってところで笑ってらっしゃいましたけど。 |
| 椎名 | 『ドリラー』みたいなので調和とか言われても、って感じだけどね(笑) |
| 木村 | 『ドリラー』については、以前のお話にあった、「(サウンドは)絵を引き立たせるには、それとは逆のものを合わせるのがいい」っていうのがある意味、調和かもしれませんけど。“バランス”っていうと、音楽が一方的にゲームに合わせるだけではないですしね。 |
| 椎名 | そうだね。 |
| 木村 | RPGを初めて担当されたのは『レジェンディア』ですよね。こちらは、きっちりとした世界があって、そこに音楽をのせていく形だと思いますが。 |
| 椎名 | 『レジェンディア』の音楽は、大きく分けて3種類あるんです。イベントとかムービーのシーンでキャラクターの感情を表現するための曲と、マップに付随する曲と、戦闘曲。その3つが、きれいに混ざるようにして。 |
| 木村 | 混ざるように、というのは? |
| 椎名 | たとえば、同じメロディを使って違うアレンジをしたり。で、マップの曲だと、ビジュアルコンセプト(設定画)とかがあって、その色に合わせることが多いかな。 |
| 木村 | 色といいますと? |
| 椎名 | それぞれの場面で、いろんな色が使われてるんですが、その中でいちばん特徴的な色が必ずあって、たとえばここの風景は赤、とか。それが『レジェンディア』だと、街とか洞窟とか、モニュメントとかによってそれぞれ違うんだけど、その色…カラーイメージに合うような音にしましたね。あと、よくやるのが、光とかに合わせて…画面がキラキラしてるところにはキラキラした音を入れたり。 |
| 木村 | なるほど。ムービーシーンの曲の場合は、先ほどの『花の名前』で、映像の動きやセリフに合わせつつ、でもぴったりにはしない、というお話がありましたね。 |
| 椎名 | あと、ムービーの曲だと、声優さんの声の帯域にぶつからないようにした、とかかな。 |
| 木村 | この質問者の方は『鉄拳』の曲がお好きなようですが、『鉄拳』の場合はどういう点に注意しましたか? |
| 椎名 | 自分が、というより、企画から言われていて、みんな気をつかってることなんですが…開始30秒ぐらいでKOする人が多いから、最初の30秒の間に曲のピークが来ないといけなくて。 |
| 木村 | 始まって、1回倒すまでの間に、ひと盛り上がりしておかないと。 |
| 椎名 | そうですね、それが結構、苦労した点かもね。 |
| 木村 | 逆に、ゲームとかに合わせるのではなくて、椎名さんの好きな曲を作るとしたら、どういう世界観の曲を作りたいですか? |
| 椎名 | 歯にしみるぐらい、甘い…スウィートな曲が作りたいかも(笑) |
| 木村 | 甘い曲ですか(笑) それは、どういうときに聴きたい曲かというと… |
| 椎名 | 恋をしてるときだね。バカップルが聴きそうな曲(笑) |
| 一同 | (笑) |
| 木村 | 将来、ゲームの作曲をやりたい方なのかな…ゲーム音楽を作るときに、いちばん勉強しておくべきことは何か、という質問ですが。 |
| 椎名 | うーん…よく遊ぶことがいちばんの勉強かな。作曲家を目指してたわけじゃないから、わからないんだよね。 |
| 木村 | おおー…そこをあえて聞きますが、椎名さんが学生時代にやっていたことで、いま役に立っていることはありますか? 勉強らしいことでなくても良いのですが。 |
| 椎名 | …早くご飯を食べることかな。結構、スタジオワークとかで、5分で食事をしなきゃいけないっていうことがあって、学生のときのバイトでやってたのが役に立ったかな。最初は食べられなかったんだけど、だんだん慣れてくるんですよ。だから、あいた時間で食べられるような対応力っていうか。結構大事なんだよね、食事。 |
| 木村 | 食べないともたないですもんね、スタジオの仕事とか。 |
| 椎名 | うん。でも、もっと音楽に近いことのほうがいいんだよね(笑) …ない気がするんだけどね、役に立ったことって。僕は、曲作りに関して言うと、ほとんどゼロからやってるので、延長コードはいけませんとか、そういうことぐらいしか…だから、早食いっていうか、スタンド食いができるようになって、猫舌じゃなくなったぐらい(笑) |
| 木村 | 熱いものでも早く食べられるように。 |
| 椎名 | でも結構こぼしますっていう(笑) |
| 一同 | (笑) |
| 木村 | 次はフランスの方からの質問ですが、いつか、ヨーロッパやアメリカのゲームでも作曲してみたいですか? と。そうなったら面白そうというか、してほしいという希望も込めて、ですね。でもこれ、バンダイナムコ社員としては答えにくいですよね?(笑) |
| 椎名 | いや、よその仕事も、ちゃんと会社に話を通せば大丈夫です。めっちゃやりたいです、ウェルカム(笑) |
| 木村 | 今年8月の『PRESS START 2009』で『テイルズ オブ レジェンディア』の曲が演奏されますが、椎名さんご自身はゲスト出演されたりしますか? |
| 椎名 | どうなんだろうね、まだわからないんだけど…(※6月現在) ぜひ来てくださいね、ってことで(笑) |
| 木村 | 『レディアント マイソロジー2』『テイルズ オブ バーサス』のサウンドトラックの発売が発表されましたが、『鉄拳6』のサウンドトラックはいつごろ出るでしょうか? |
| 椎名 | それはわからないですが、希望が多ければ出せると思います。よろしくです。 |
| 木村 | 了解です! |
| 椎名 | あ、『鉄拳』の話を聞きたいっていうメールがありますね。じゃあ、『鉄拳』の話をしようかな。 |
長くなってきましたので、今回はここまで。 最終回は『鉄拳』や、まだ話題に出ていない作品の話題を中心にお送りします。 引き続き、ご意見、ご感想、椎名さんへのご質問等を受け付けておりますので、 是非お送りくださいませ! |
宛先は、composers cocoebiz.comです。 |
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新作情報! 1 『ゴッドイーター』
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| (C)2009 NBGI |
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今秋発売予定のPSP用ハンティングアクションゲーム、
『ゴッドイーター』の音楽を、椎名さんが担当されています。
最新情報は『ゴッドイーター』公式サイトをご覧くださいませ。
プロモーションビデオも見られます!
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新作情報! 2 『突撃!合戦スタジアム』
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可愛くデフォルメされた戦国武将たちを集めて、操り、相手の城を攻め落とす、
オンラインゲーム『突撃!合戦スタジアム』でも、
椎名さんが一部の音楽を担当されています。
日本最大級のインターネットゲームポータルサイト『ハンゲーム』上で運営されており、
現在、7月中旬開始の「初陣(オープンベータテスト)」への参加を受け付け中です。
『突撃!合戦スタジアム』公式サイトはこちらです。
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